弱音を吐く場所

2005年9月29日
「ずっとこのままでいてほしい。愛してる。今夜逢いにいく。」
そう言ってかれは来ました。
ドアを開けて顔を見るなり抱きしめてきました。
何も言わず、ただ、泣いてるようでした。

子供達には泣いてる彼を見せたくなくて
「シャワー浴びてきて。子供たちには自然に接して。心配するから。ごめんね。」とシャワーを浴びてもらいました。

普通に食事をし、子供達を寝かせてからゆっくり話を聞きました。
彼の息子さんがあちこちで借金して逃げてる事。自分を守るためならどんな嘘でもついてしまう事。彼女を妊娠させて捨てた事。
「もしも俺と君が一緒になったとして、君の子供達が警察官とか、先生になりたいと思ったとしたら、俺の息子が犯罪者になってたらみんなの夢まで壊してしまう。君や子供達にまで迷惑かけてしまう。」

思い詰めてるようでした。

「息子さんを信じてあげようよ。きっと気づいてくれるから・・・。」

本当はそんな甘くないって分かってる。

「あいつをそうさせたのは俺がいけないんだ。俺が仕事一筋で子供や家族を顧みてやらなかったから・・・。」

彼は昔、単身赴任で大阪に三年程行っていたらしく、その間、知的障害の次男の子育てに疲れた奥さんは長男を訳もなく殴って気を晴らしていたらしい。
ちょうど私の息子と同じ年のころだったらしくて、人ごととおもえなくなりました。

「奥さん、淋しかったんだね。それで息子さん、人格崩壊しちゃったのかも。でもね、あなたの子だもん、きっといつかわかってくれるよ。心は小学生のままで、身体と環境だけが先に進んでる。みんなが次男さんばかり気にかけてて、自分の存在価値を見つけられないのかもしれないね。」

「あいつさぁ、ちょっとした仕草や癖が俺に似てるんだよね。自分でも驚くくらいにさぁ。やっぱり息子だなぁって・・・。」

「ホントは大好きで大事なくせに、それをちゃんと伝えてあげなくちゃね。」

「俺はあいつの何を見てきたのかなぁ。」

「うふふ。一月くらい二人だけで旅でもして来たら?」

そして彼は私の肩にもたれて眠りました。

「俺ね、誰にも弱音吐いたり甘えたりした事がなかった。だから弱い自分を見せたくなくて。でも、君のメールを見た時、ああ、一人じゃないんだって思えたんだ。ありがとう。ずっとそばにいてほしい。」

「ばか・・・。」

息子さんとの殴り合いで打撲した胸に湿布を貼ってあげました。

いつか「ごくろうさま。もう休んでいいよ。」と言ってあげられる日まで、こんな私でも少しは支えになれるかなって、少し自信がつきました。

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